統計コースの案内

2009.3.2

東京大学経済学研究科経済理論専攻

1.東京大学経済学研究科の中に独自な研究・教育の組織として「統計学コース」があることをご存じない学生、院生、社会人の方々も少なくないと思います。欧米の主要な大学院と違って 独立の統計学科を持たない東京大学では、大学院において「統計学とその応用」を主な研究分野にしている教官・院生が集まる一つの充実した組織として「統計学コース」が経済学研究科経済理論専攻の中にあります。今日では経済、金融(ファイナンス)、経営などに関係する諸分野に限っただけでも、計量経済学、経済統計学、マクロ経済学、労働経済学、産業組織論、ファイナンス(金融)、マーケティング、などを挙げてみただけで各分野では統計的方法が必要不可欠な分析手段として応用されていることに気づかされます。他方、実務界でも伝統的な中央政府に必要な官庁統計や企業における品質管理論などに加えて近年では特にファイナンスやマーケティングなど金融業・保険業の日常業務の中でもリスクに関する統計学の専門的知識が必須とされるようになってきています。

  経済学研究科経済理論専攻内の「統計学コース」のよき伝統は一言で云って「基礎的な統計学の理論」を大事にすることですが、同時に様々な応用的な問題にも関心を向けるように関係教官は心がけています。カリキュラムでは統計学の専門家として最低限不可欠なトレーニングを習得する場として、修士1年目に確率論と数理統計学が必修となっています。この他、計量経済、経済統計、経営統計といった伝統的科目に加えて、計算機統計、時系列解析、多変量解析、確率過程、ベイズ統計、などをはじめとする統計分野の講義や演習が関係するスタッフの守備範囲という制約はありますが可能な限りの内容が用意されています。「統計コース」に所属する院生は経済学研究科内で提供されている経済・経営関係の話題にも関心を持つことが薦められています。むろんですが、統計学・統計科学の 関連分野としては数学、生命科学、環境科学、品質管理、情報・計算機科学、などなど多岐におよんでいるので、入試時点において特に狭い意味での経済学やその応用を意識する必要は必ずしもありません。

  さらに統計学の重要な一つの特質としてその学際性がありますが、統計学コースでは伝統的な文科と理科という区別にとらわれることなく、学内の幾つかの大学院部局の関係教官が協力してこの統計学コースで講義を提供するとともに、統計学に関わる国内・国外からのゲストを含めたセミナー・シリーズとして長い伝統がある「統計学輪講 応用統計ワークショップ」が毎年、定期的に開催されています。

  大学院生の出身学部を見ても経済学部ばかりでなく教養学科・理学部・工学部などからの進学者もいて、教官ばかりでなく院生を含めて文字どおり学際的様相を呈しています。統計学コースでは伝統的には大学等の研究者を目指す院生が多かったのですが、最近では実務界での要請に応える形で中央政府・銀行、保険会社をはじめとする金融機関・民間シンクタンク等に就職する院生も増えてきています。

2.その他)

(i)過去の入試問題:東京大学出版会教材部で印刷された形式で手に入れることができます。統計コースの受験に直接に関係する資料は「統計学コースHome Page」をご覧ください。

(ii)ホーム・ページ(Home Page):統計学コースの関係者が作成(20094月より)しているホーム・ページにより経済学研究科(経済理論専攻)における統計学コースの情報(関係する教員、統計学・数学などの過去の入試問題など)を得ることができます。なお内容は随時改訂されることがありますのでご注意ください。

(iii)大学院入試:経済学研究科の大学院修士課程の入学試験では、学部で経済学を勉強した志願者は経済学・経営学・統計学に関係する科目で受験できます。なお、学部で経済学以外の専攻であった東京大学や他大学の志願者は「基礎数学」と「統計学」により受験することも可能です。また、2008年度までは小論文の提出を課していましたが、2009年度入試から「統計学コース」(および金融システムの専攻を希望する志願者)には特に

    「論文提出は任意

として、従来よりも受験が容易になりました。

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